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【直し】かぶり(ふくろ)直し

着物のお直しは大きく分けて二つあります。
一つは「寸法直し」、もう一つは「かぶり(ふくろ)直し」です。

かぶり(ふくろ)直しとは、主に裏地の付いた着物の表裏の釣り合いが狂ったものを直す直しです。
着物を吊るして見て、表か裏かどちらかが、裾で生地が余って袋のようになった状態を、
直していくのです。

●どうしてかぶるのか

このような問題は以下のような条件でなりやすいです。
・仕立て時の、裏表の設定が悪かったとき
・表地と裏地の収縮率が違い、長年の保管によりつり合いが狂ったとき
・比較的縮みやすい強撚糸の織物「お召し」系の袷の着物のとき
・雨や、湿気のあるところで着物が長時間さらされたとき

着物は仕立てに入る前に地直しと言う工程があるのですが、
そこでの作業も、この問題の解決に大きくかかわります。

●どう直すのか

かぶり直しは、お直しだけで対応できる小さなものから、
一旦洗張りをかけて仕立て直さないと完全に直らないものまで、
いろいろな段階があります。

着ていれば汗もかきますし、ある程度は狂いが生じるのも事実です。
ここは、着物を着る回数、ご予算に応じて、臨機応変に対応することが良いと思います

【仕立事例】袷の大島を単衣に仕立て替え

ooshima-kimono袷仕立だった白大島を、単衣に仕立て替えました。
洗張りをしてからの仕立て替えです。
そのため、身丈、裄、身幅などがご本人の希望に沿った寸法になりました。
袖丈は、もともと短かったので、出せる範囲で長くしています。

白地の色目ですので、透け防止と、お尻部分の補強を考え、
腰から裾まで居敷当をつけています。

lining

こちらは、もともと付いていた胴裏と、ぼかしピンクの八掛けです。
この2つを取り外したことで、着物も随分軽やかになりました。

涼しげな色の単衣なので、6月、9月に重宝しそうですね。
お気に入りの一枚になりますように。

【直し】洗いが先か直しが先か

着物の寸法直しと、着物の丸洗いや生洗い。
両方を考えている場合なら、先に洗いをしたほうが良いと考えます。

今はクリーニングの技術も良くなっているそうですが、
袷などの裏地のある物なら、多少はつり合いが狂います。
それでも、洗い→寸法直し、の手順なら、
寸法直しでほどく際に、多少は狂いを直すこともできます。

また、襦袢など汗を吸ってるシワは、直りにくい特徴があります。
洗いの前に直しをすると、このシワが残ったまま直すことになり、
せっかくの寸法直しの際に、誤差も出かねません。

洗いと寸法直しで迷ったら、まずは洗って殻をおすすめします。

【仕立】洗い張り後の仕立て替え

着物が洋服と違う一つとして、一旦出来上がった着物を、仕立て替えることができます。

●洗張り(あらいはり)
一旦出来上がった着物を解いて、専門の職人さんに洗ってもらいます(洗張り)。
(洗張りでは、シミなども綺麗にとれるわけではありません)
すると、着物は全て長方形の裁断なので、簡単に縫い合わせるだけで反物に戻ります。
その後、裏地を一新したりして、または寸法を作り変えて、仕立て直すことができるのです。

●洗張り後の仕立て直しの注意点
理論上は、どの着物も仕立て直しが可能です。
が、種類によっては注意したほうがいいものもあります。それが以下です。
・もともとの着物寸法が小さく、仕立て直しても大きく出来ない着物。
・汚れやシミが多数あるもの。仕立て直しでも隠すことが難しいです。
・薄い色味の色無地などは、色ヤケの心配があるものもあります。
・生地によっては縫い跡が消えにくい着物もあります。
・アンティークなどで生地自体が弱く、そうしたことを心配される方。

仕立て直しには、ほどきと洗張りの料金がかかるので、場合によっては反物を購入したほうが安い場合もあります。

【仕立】必要な付属品

反物(表地)を仕立てに出すとき、反物だけでは着物にならず付属品が必要です。

●袷(あわせ)仕立
裏地の付いている着物で、10月から5月までの着物です。

—着物(長着)の場合—
・八掛け(裾回し)・・・・・・着物の下部分の色のある裏地
・胴裏・・・・・・・・・・・・・・・着物の上部分の白い裏地
*表地が薄い色、薄い素材の場合は、八掛けの色が透けやすいため、ぼかし八掛けがおすすめです。

—羽織・コートの場合—
羽裏・コート裏が必要です。
*表地が薄い色、薄い素材の場合は裏地が表に透けることがあるので色柄選びに注意が必要です。

●単衣仕立
透けない素材なら9月・10月、透ける素材なら7月・8月の着物です。
(現在は気温に応じて、前後することが多々あります)

—着物(長着)の場合—
以下の付属品が必要です
・裏衿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・広衿仕立の場合
・居敷当(任意)・・・・・・・・・・・・お尻部分の強化(または透け防止)のため、お尻あたりにつける裏地。
(浴衣などはお尻部分だけ、単衣着物なら腰から裾まで、と2通りの付け方があります)

●襦袢仕立
袖が袷になっている無双袖仕立(10月ー5月)と、袖が単衣になっている単衣仕立(6-9月)があります。
任意で、以下の付属品を使うこともあります。
・衣紋抜き・・・・・・・・・・・・・・・・襦袢の衣文を抜きやすくする背中部分の腰紐通し
(透ける着物の場合は注意が必要です)
・居敷当・・・・・・・・・・・・・・・・・・お尻部分の強化のため、お尻あたりに付ける裏地。
(麻などご自宅での洗濯が前提なら、同素材での居敷当が好ましいです)