月別アーカイブ: 2016年7月

【仕立事例】振袖襦袢

気づけば七月後半、関東の梅雨明けもそろそろですね。
さて、振袖襦袢ができあがりました。
振袖襦袢も普通の襦袢と同じように袖が無双袖になっていますが、004 無双袖の裏側の振りと袖口部分に色が付いている生地になっています。001袖を裏返すと、こんな感じです。
これは意図的に違う生地を用意したわけではなく、あらかじめ振袖襦袢反物に袖裏としてこのような生地が染められています。振袖襦袢にはよくありますが、普通の襦袢ではあまり見ません。
002
刺繍半襟を付けてできあがりました。振袖と合わせて華やかになりそうです。振袖襦袢

【仕立事例】無双袖・胴抜き襦袢

無双袖・胴抜き襦袢を仕立てました。
無双袖とは、袖部分が二重にして仕立ててある袖のことです。
胴抜きとは、胴部分は単衣で仕立ててる身頃のことです。
今は、袷着物に合わせる襦袢は、ほとんどがこのタイプです。
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胴抜き仕立ではありますが、今回は居敷当を付けました。
襦袢の生地が薄い場合は、居敷当を付けたほうが生地の補強になります。

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ご本人の希望で衣紋抜きは付けてません。
衣紋を抜くときに背の部分を引っ張ってお召しになるということで、
その部分が弱くならないように、
繰越揚げに「ぐし」と言う点々のシツケを入れました。
縫い目が二重になるので、補強になればいいなと思っています。

襦袢が着易いと、上に着る着物も着易くなります。
末永く着られますように。

【仕立】柄合わせ優先・寸法優先

着物の仕立てでは、柄合わせが重要です。
柄合わせには、大きく分けて二つあります。

一つは、留袖・振袖・訪問着などのように、縫い目をまたいで、
一枚の絵のように柄がつながっていて、柄の位置が決まっているもの

二つ目は、小紋などのように、柄が連続していて、
どの場所にどの柄を出すかを選べる、柄の位置が決まってないもの。

そのため、留袖・振袖・訪問着などの場合、
柄の位置が決まっているため、特に身幅と裄において、寸法もある程度限定されます。
この時に、柄合わせを優先するか、自分の寸法を優先するか、選ぶことができます。

●柄合わせを優先した場合
背、上前、掛け衿はもちろん、脇、裄など全ての柄がピッタリ合うように仕立てられます。
絶対値ではありませんが、柄合わせ重視の場合、身幅は大きいことが多いです。
例えば、以下のような寸法で柄が合っていることが多く感じます。
・前幅 6寸5分 後幅 8寸
・肩幅 8寸ー8寸5分 袖幅 8寸5分ー8寸8分

以上の寸法とご自分の寸法が著しく違う場合は、柄合わせ優先だと着にくい感があるでしょう。

●寸法を優先した場合
寸法を優先しても、着て目立つところの柄はしっかり合わせていきます。
特に、背、上前オクミと前身頃、掛け衿と前身頃は、柄合わせを優先します。

逆に柄合わせが崩れるのは、脇の柄、裄の柄です。
柄合わせが崩れると言っても、雰囲気的につながって見えるような感じです。
着物の柄の雰囲気にもよっては、目立たないことも多いです。

以上のことと、自分で着物を着るのか、着付けの人に頼むのか、
といった条件も考え、どちらが自分に向くか判断されてはいかがでしょう。

【直し】寸法直し

着物のお直しは大きく分けて二つあります。
一つは「寸法直し」、もう一つは「かぶり(ふくろ)直し」です。

寸法直しとは、文字通り、寸法だけを変える直しです。
箇所としては、
・袖丈、袖幅、肩幅、などの袖関係、
・身丈、身幅、などの身頃関係
・褄下(衿下)、繰越、袖付けなどの指定部分
などがあります。

直らないものもある
直しをすれば寸法を変更できる、と思いがちですができない場合もあります。
例えば、以下のものは全部とは言えませんが、出来ない場合が多いです。
・古い着物の裄(袖幅・肩幅)、袖丈、身丈を、極端に大きくする場合
(袷の羽織丈・コート丈を長くする場合も、直しだけでは無理なことが多いです)
・裏地が紅絹などのアンティークで生地が弱っている場合

●直しに向いているもの
比較的新しいリサイクル着物の場合は、反物幅も広く裄直しにも対応できることが多いです。
ただお直しはお直しなので、生地によってはヤケが出る場合、縫い筋が消えない場合などあります。
そうした点を考慮することも大切です。

【仕立事例】紬の胴抜き仕立

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紬の胴抜き仕立

紬の洗張り地から、胴抜き仕立が出来上がりました。
胴抜き仕立とは、裏地の付く袷仕立の種類の一つで、
裏地の上半身部分の胴裏を省略した仕立て方です。

今回は、涼しさを重視する意味で、本当に胴裏全部を省いて仕立てました。
この他の仕立てとしては、
お尻部分あたりまで胴裏を付ける方法、
胸のあたりまで胴裏を付ける方法
袖だけは袷仕立にする方法、
袖の振りだけ袷にする方法、
などがあり、特に決まりはありません。

座ることが多い場合は、お尻部分まで裏地を付けたほうが表地の補強にはなります。
どちらにしても、裏地を表地にくけつける場所が出てくるので、
くけ目(縫い目)が目立ちにくい紬地のようなものが適していると思います。

時期的には袷だけれど、袷は暑い、と言う場合に重宝します。
胴裏がないだけで軽やかに涼しくなります。
お気に入りの一枚になりますように。